広場恐怖の症状
広場恐怖の症状は、文字通り広場に対する恐怖心です。
広場と言っても、グラウンドや公園といった狭義の広場ではなく、公の場という意味での広場を指します。具体的には、デパートや遊園地、それから空港や公共交通機関などがそうです。
こうした場所へ足を踏み入れる際に、広場恐怖の患者は恐怖心や悪寒を感じます。
この広場恐怖は、パニック障害に随伴して発症することが多く、自分の行動が制限されるシチュエーションに極度に怯える傾向が見られます。
ですから、とりわけ飛行機やエレベーターなどでは症状が現れやすいと言えます。
広場恐怖の原因
広場恐怖の原因は、幼い時に経験した怖い出来事などが挙げられます。もちろん、成人してからの体験でも発症原因となります。
その時に記憶に残ってしまった恐怖心が、広場恐怖として蘇るというのが、広場恐怖の主な原因と言えます。例えば、親に虐待されたり、誰かに誘拐されたりという経験をすると、広場恐怖が発症しやすくなると言えるでしょう。
その他、地震や火事などの経験も、病気を発症させる引き金となり得ます。
広場恐怖の治療
広場恐怖の治療では、薬物療法が行われます。
やはり、その他の精神疾患と同様、精神的な不安や恐怖心が強く現れる病気なので、薬剤で落ち着かせることが重要となります。
具体的には、SSRIや抗不安薬などの薬剤を服用して、広場恐怖の症状を改善します。こうした精神安定剤によって、広場恐怖の症状はほとんど改善されます。
しかしながら、注意が必要なのはこれらの薬物療法は、あくまで対症療法でしかないということです。広場恐怖は風邪とは違います。薬物で症状を抑えたからと言って、その後、自然に病気が治っていくわけではありません。
ですから、多くのケースで認知行動療法などが必要になってきます。認知行動療法では、実際に患者が恐怖を感じるような場所へ足を運ばせます。
例えば、エレベーターに乗ることで広場恐怖の症状が出る患者では、まずエレベーターがあるデパートの入り口まで行きます。そして、次の日にはエレベーターの前まで行き、最終的にはデパートのエレベーターに乗れるようにするのです。
このようにして、広場恐怖という病気の治療を行っていきます。